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新潟医療福祉大学  作業療法学科 

【作業療法士 心に残るあの場面】夢を取り戻したパティシエ

  • 2024年7月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年7月29日

Aさんは、製菓専門学校を卒業したばかりの20代の若者でした。彼の夢は、洋菓子店でパティシエとして働くこと。しかし、卒業後すぐに交通事故に遭い、彼の人生は一変しました。診断は脊髄損傷。両手の握力低下と痺れ、両足の筋力低下とバランス障害に苦しむことになったのです。理学療法士と共に、杖なしで歩けることを目指して足のリハビリに励む日々。しかし、手の機能を回復させることは彼にとってもっと大きな課題でした。

そんな時、作業療法士がAさんの担当となりました。作業療法士はAさんの夢を叶えるために、仕事で必要な道具の使用方法を徹底的に聞き取り、分析し、リハビリに取り入れることを提案しました。「Aさん、パティシエとして働くために、私たちは一緒に頑張りましょう。どんな道具を使うのか教えてください。そして、それをどう扱うのか、一つ一つ確認していきましょう。」

Aさんは、自分の夢のために全力を尽くす決意をしました。彼は自宅から持参した道具を使ってリハビリを続けました。ホイッパー、パレットナイフ、絞り袋…それぞれの道具を使いこなすために、手の力を少しずつ取り戻す練習をしました。作業療法士は、Aさんの手の動きを分析し、最適なリハビリプランを提案し続けました。リハビリの中で、Aさんは少しずつ自信を取り戻していきました。作業療法士のサポートのもと、手の力が戻り、道具の扱い方も上達していったのです。

退院後、Aさんは再びパティシエとして働き始めました。そしてある日、リハビリ室に訪れたAさんの手には紙袋がありました。少し恥ずかしそうにしながら、作業療法士に袋を差し出しました。「先生、これ、僕が復帰して初めて作ったシュークリームです。初めて作ったのは、どうしても先生に食べてほしくて。」その瞬間、作業療法士の胸には感動が込み上げました。Aさんの恥ずかしそうで、でも嬉しそうな表情は、シュークリームの甘さと同じくらい心温まるものでした。

作業療法士の仕事は、患者の身体の回復を助けるだけでなく、その人の夢を取り戻す手助けをすることでもあります。あなたも人の人生に寄り添い、夢を叶える手助けをする作業療法士を目指してみませんか?

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