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新潟医療福祉大学  作業療法学科 

【作業療法 心に残るあの場面】趣味活動である「釣り」を続けるために

  • 執筆者の写真: OT NUHW
    OT NUHW
  • 12 分前
  • 読了時間: 2分

40代の彼は職場での事故で腕のほとんどを失いました。残っていたのは上腕骨(肩から肘までの骨)の半分以下で、日常生活に大きな支障をきたしました。一般に、手足の大部分を失った場合には義手や義足を作成し、本人の希望に基づいて日常生活での使用を訓練していきます。しかし、彼の場合、言葉少なで日常生活での義手の使用もなかなか進まない状況でした。

彼はもともと釣りが趣味でした。腕を失ったことで喪失感を抱え、釣りができないことで生きる楽しみも失っていました。釣りは片手で竿を握り、片手でリールを巻くという両手の動作が求められます。一般的な義手は先端がフックのような形をしており、物をつまんだり押さえたりする補助的な役割しか果たせません。しかし、私はこの義手を改良して竿が立てられるようにし、釣りの再開を目指してはどうかと提案しました。

その提案を聞いた瞬間、それまで暗かった彼の表情がぱっと明るくなりました。その後、改良した義手を使った操作訓練を作業療法で行い、数年ぶりに彼は再び海へ戻ることができました。「本当はブリが釣りたいんだ」と言いながらも、「アジやメバルを釣るのも楽しいしな」と笑顔を見せました。

今もどこかの海で彼は竿を振っていることでしょう。またいつか海で会える日を期待して。彼の笑顔とともに、新たな人生の章が始まりました。

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