【作業療法 心に残るあの場面】スイッチを工夫したパソコンの導入でふたたび前向きになった難病患者さん
- OT NUHW
- 8月1日
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ALS(筋萎縮性側索硬化症)という全身の筋肉が徐々に衰えていく難病にかかった50代のAさん。発症して1年が経過し、歩いたり、物が持てなくなってしまったため入院となりました。入院中の心身機能の維持と生活環境をサポートするために作業療法が開始されました。
作業療法ではAさんの生活を維持するために、そのときどきの筋力に合わせたトレーニングや食事をしやすくする道具を提供しました。しかし、症状が進行して、足、そして指先にも力が入らなくなり、食事や着替えなど身の回りのあらゆる動作に介助が必要となりました.そして筋力の低下は顔や口の筋肉にまで及び,食事はおろか話すことさえもできなくなってしまいました。Aさんは旅行会社の営業マンでしたから、交友関係も豊富で、入院後も見舞い訪れる同僚や家族と明るく過ごしていたのですが、病気が進行するのに合わせて口数も減り、徐々に落ち込んでしまいました。
そこで、唯一筋力が残っている人差し指の指先とまぶたにスイッチを付けて操作するパソコンを導入し、毎日練習するようにしたところ、メールやインタネットの検索ができるようになました。その後のある日、Aさんは「これでまたみんなとつながることができる」とパソコンに入力し、ふたたび前向きになったことを伝えてくれました。

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