top of page

MENU

新潟医療福祉大学  作業療法学科 

【作業療法 心に残るあの場面】利き手が使えなくてもイキイキとした生活が送れるようになった作業療法支援

  • 執筆者の写真: OT NUHW
    OT NUHW
  • 5月2日
  • 読了時間: 2分

乳がん治療中の50代のAさんは,再発のため化学療法を実施していました.ある日,箸を落とすことがあり,薬指と小指の動きに違和感があり,整形外科を受診しました.作業療法が処方され,使いやすい箸を紹介し,利き手で食事が取れるようになりました.しかし,数日後,右肩,肘も動きづらくなり,右手がまったく機能しなくなってしまいました.

 Aさんの右上肢の機能回復は,望めない状況でした.作業療法では,日常生活がしやすくなるようにと利き手交換訓練も紹介しますが,Aさんはわずかに動く右肩関節と肘関節を「自動で動かせるようにしたい」と機能訓練を強く希望していました.Aさんは,元々とても器用な方であり,手芸や絵を書くのが趣味だったそうです.担当作業療法士は,別の患者さんから折り紙の本を譲り受け,いろんな折り鶴に挑戦している最中でした.Aさんに「いろいろな折り方がある」こと話すと,Aさんは「左手でも折り紙って折れるのかな?私できるかも」と左手で器用に折り鶴をいきなり折りはじめたのでした.

 その後,片手での折り紙にはまったAさんは,点画に挑戦してみたり,箸の練習を始めたりと利き手交換訓練を自主的に進めていきました.そして,院内でのがんサロンも自ら提案し,病院と一緒に企画開催し,自らの経験を他の患者さんと共有する場を作ってくれました.

最新記事

すべて表示
【作業療法 心に残るあの場面】スイッチを工夫したパソコンの導入でふたたび前向きになった難病患者さん

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という全身の筋肉が徐々に衰えていく難病にかかった50代のAさん。発症して1年が経過し、歩いたり、物が持てなくなってしまったため入院となりました。入院中の心身機能の維持と生活環境をサポートするために作業療法が開始されました。...

 
 
 
【作業療法 心に残るあの場面】縄跳びができた喜びから小学校に登校できた男児

A君はある日を境に学校に行けなくなりました。家の中でも元気がなく、お母さんも原因が分からずに困っていました。しかし、運命が動き始めたのは、作業療法士との出会いでした。 作業療法士はA君との関わりの中で、学校に行けない理由が「縄跳びができないことが恥ずかしくて、学校に行きたく...

 
 
 
【作業療法士 心に残るあの場面】ひきこもりがちな生活から福祉的な就労につながったこころの作業療法支援

元々人付き合いが苦手で、仕事の業務量が増えたことで社会への恐怖感が強まっていった30代のAさん。次第に会社に行くことや外に出ることへの不安が強まり、最終的に退職し、家に引きこもるようになってしまいました。そんな中、家族の勧めで受診に至り、ある日、Aさんは不安への対処を学びた...

 
 
 
bottom of page