本間健太助教と能村友紀教授の研究論文が国際誌に掲載!経頭蓋交流電気刺激(tACS)の2部位同時刺激がエピソード記憶の保持を促進する可能性を示唆
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本間健太助教と能村友紀教授らの研究論文が国際誌『Frontiers in Human Neuroscience』に掲載されました!
研究概要
エピソード記憶は、私たちが経験した出来事を覚えておくための重要な記憶機能です。しかし、加齢や認知機能の低下の影響を受けやすいことが知られています。そのため、エピソード記憶の保持を効果的に促進する方法を明らかにすることは、脳のはたらきに関する基礎的な理解を深めるだけでなく、将来的な認知機能低下への対策にもつながる重要な課題です。
経頭蓋交流電気刺激(tACS)は、微弱な電流によって脳の神経活動を調整し、認知機能の改善を促す可能性がある非侵襲的な手法です。これまで、エピソード記憶に関わる重要な脳領域である前頭前皮質(PFC)や後頭頂皮質(PPC)の単一部位にtACSを適用した研究は報告されてきましたが、PFCとPPCの2部位を同時に刺激した場合に、エピソード記憶がどの程度保持されるかは十分明らかにされていませんでした。
本研究では、健康な若年成人を対象に、記憶課題の実施中に60HzのtACSを適用しました。参加者は、①左PFCと左PPCへの2部位同時刺激群、②左PFC群への単一刺激群、③偽刺激群の3群に分けられ、その後の記憶成績への影響を比較しました。その結果、①の2部位同時刺激群では、③の偽刺激群と比べて、2日後および7日後の記憶成績がより良好に保持されることが認められました。
これらの結果から、tACSによって複数の脳領域を同時に調整することで、エピソード記憶の保持を促進できる可能性が示唆されました。
研究のポイント
ü tACSを用いて、刺激部位の違いがエピソード記憶に与える影響を検証しました。
ü 健常若年成人を対象に、1週間後までの記憶保持を評価しました。
ü 複数の脳部位へのtACS刺激が、記憶保持を促進する可能性が示唆されました。
研究者コメント
記憶機能は日常生活や学習、リハビリテーションにおいて重要な役割を担っています。本研究は、非侵襲的な方法によって、記憶保持に関わる脳活動を調整できる可能性を示す基礎的知見の一つです。今後は、高齢者や記憶機能の低下がみられる集団を対象とした検討や、神経生理学的指標を用いたメカニズムの解明にも取り組んでいきたいと考えています。
原著論文情報
Kenta Honma, Tomonori Nomura.
Gamma tACS Over the Prefrontal and Parietal Cortices Enhances Episodic Memory Performance.
Frontiers in Human Neuroscience. 2026;20



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