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新潟医療福祉大学  作業療法学科 

小泉裕昭さん(大学院博士課程修了,富永草野病院勤務)と大山教授の研究論文が,国際誌『Journal of Electromyography and Kinesiolog』に掲載されました!

  • 執筆者の写真: NUHW_OT
    NUHW_OT
  • 2024年3月28日
  • 読了時間: 2分

【研究概要】

野球やテニスなどのスポーツにおいて、肘関節には大きな負荷がかかります.この負荷により度々靭帯損傷が引き起こされ,予防のためには周囲の筋が抵抗する必要があります.これまでの研究で,肘関節周囲筋の収縮が,重要な肘関節支持機能を有していることが分かっていましたが,実際の活動中に個々の筋が十分な力を発揮しているかは明らかにされていませんでした.本研究では,実験的に異なる前腕の向き(手のひらが上:回外、手のひらが下:回外)で負荷を加え握力を発揮させました.その際、指を曲げる筋(浅指屈筋:FDS),前腕を回旋する筋(円回内筋:PT),手首を曲げる筋(橈側手根屈筋:FCRおよび尺側手根屈筋:FCU)の筋活動と,肘関節の支持性との関係を調査しました.その結果,回内位の方が、肘関節の支持性が高まること,PTがその支持性に関与していることが明らかになりました.これにより,スポーツにおける障害予防として,PTの筋力トレーニングが重要であると思われました.


【小泉さんからのコメント】

Grip時の肘関節内側支持機能が高まる前腕肢位と貢献する筋を明らかにすることは,スポーツ分野における肘関節内側側副靭帯損傷の予防法や靭帯損傷の術後運動療法の開発のための一助になると考えています.今回の結果では,回外位よりも回内位で肘関節の支持機能は高まり,関与していた筋は浅指屈筋と円回内筋でしたが,中でも円回内筋の影響が非常に大きかったことがわかりました.この結果から,円回内筋を意識したトレーニングや運動は,肘関節障害予防の観点からも重要であると考えられました.

本研究の遂行にあたり,指導教員として多大なご指導を賜った大山教授,副査として適切なご助言を賜りました江原教授,江玉教授に深謝致します.



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【論文掲載】

Koizumi H, Oyama M, Odagiri M, Shioda N, Fujime C, Kusano N. Impact of the contraction of medial forearm muscles during grip tasks in different forearm positions on medial support at the elbow joint. J Electromyogr Kinesiol. 2023 Aug;71:102783.



 
 
 

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