作業療法士が経験したエピソードを紹介します。
数か月前、A君の両親の離婚は彼の人生に大きな影響を与えました。中学2年
生のA君は、その混乱した時期に学校に行くことが難しくなり、周囲の心配や
助言に耳を傾けることもできず、孤独と痛みに包まれていました。
母親に付き添われて医療機関を訪れたA君に、作業療法士による訪問支援が
始まりました。初めは無関心で、ただゲームに没頭するだけのA君でしたが、
作業療法士との関わりが少しずつ彼の心を動かし始めました。ゲームを通じて
交流できるようになり、少しずつ会話が増えていきました。A君は自分の気持
ちや学校での経験を語り始め、外出する意欲も芽生えました。作業療法士と共
に外出の練習を重ね、学校の教室に足を踏み入れることにも挑戦できるように
なりました。
半年が過ぎ、A君はついに一人で学校に通えるようになりました。その後も
訪問支援は続き、彼は順調に学校に通う日々を送っています。「あの頃は大変
だったけど、今は学校が楽しいよ」と振り返るA君の言葉には、彼の強さと成
長が感じられました。
Comments